デンカ（山本学社長）は、新型コロナウイルスの抗原迅速診断キットの国内製造販売承認を8月11日に取得した。量産体制を整え、13日から医療機関への販売を開始している。

製品名は「クイックナビ-COVID19Ag」。特別な検査機器を必要とせず、鼻咽頭ぬぐい液中の新型コロナウイルス抗原の有無を約15分で診断する。価格は10回用で6万円。

またインフルエンザの流行に備え、一度の検体採取で新型コロナとインフルエンザのウイルス抗原を診断できるよう準備を進めているほか、判定時間の短縮や検体種の適用拡大などにも取り組む。

デンカは2月に、簡易検査キットの開発に着手。国立感染症研究所をはじめ関係官庁や公的機関、国内外の研究機関の協力と支援を得ながら開発を行い、7月には国内薬事承認を申請していた。通常は開発開始から承認取得まで1年半〜2年かかるが、関係各所との協力と支援で約半年で上市に至った。