会員会社ニュース

鉄鋼生産低炭素化へ合弁会社検討
三井物産・神戸製鋼など4社

三友新聞 2020年7月30日号 より]

三井物産(安永竜夫社長)と同社の出資先で世界有数の鉄鉱石サプライヤーであるブラジルのVale社、神戸製鋼と同社の在米国子会社のMidrex Technologies, Incの4社は、鉄鋼生産に伴う炭素排出量の削減を目的とした新会社の設立に向け検討を開始した。

鉄鉱石からの製鉄は、高炉(溶鉱炉)で溶かしながら酸素を取り除く還元工程を経るのが一般的で、石炭を原料とした炭素の塊であるコークスを大量に使用している。これに対し、主として天然ガスを使用して鉄鉱石を個体のまま溶かさずに還元する手法は直接還元法と呼ばれ、コークスを用いた還元方法よりもCO₂排出量を抑制することができる。

神戸製鋼は、直接還元法の一種であるMidrexプロセスを開発したMidrex Technologiesを1983年に完全子会社化し、世界中に展開してきた。現在、世界の直接還元法の約2/3がMidrexプロセスで行われており、圧倒的な強みを有している。

設立を検討する新会社は、鉄鉱石サプライヤーと低炭素の製鉄事業者という鉄鋼生産工程の上流から下流までの企業が関わることとなる。三井物産はマーケティング、事業開発などのノウハウを提供し、世界の鉄鋼業界向けに低炭素鉄源および低炭素製鉄ソリューションを提供することを目指す。

Midrexプロセスで生産された還元鉄

他の記事も読む