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プレストレス技術応用木材での設計法確立
三井住友建設、環境配慮型建築物目指す

三友新聞 2020年4月2日号 より]

三井住友建設(新井英雄社長)は、自社開発した「プレストレスト木質構造」工法について、実物件への適用に向けた構造性能の確認実験や評価・分析を行い、同工法の設計法を確立した。

「プレストレスト木質構造」は、環境に優しい木質部材とプレストレス技術を融合させた同社の独自工法。同設計法を用いた建物では、プレストレスを導入した木質部材とラーメン構造により、約11mの大スパンで自由度の高い大空間と外周部に壁のない開放的な建物を実現する。PC鋼材を柱梁接合部(鉄筋コンクリート造)に貫通させて緊張することで、梁が柱に圧着し、大地震時にもPC鋼材がフレームの変形を元の位置に戻す力(復元機能)を発揮するため優れた耐震性能を備える。

同社は、橋梁分野で培ってきたプレストレス技術を木質部材に応用し、単一の木質部材であってもオフィスや商業施設などで大スパンによる大空間・大開口を実現する同構造を開発。その後、プレストレスを導入した木質部材の構造性能試験や梁の曲げ耐力試験などを実施し、木材のクリープ特性や接合部の構造性能評価を行い、実用化のための設計法を確立した。

今後は、同社施設での同工法の適用で設計法・施工法をさらに整備し、サスティナブルな中大規模建築物への適用に取り組む。

「プレストレスト木質構造」工法を用いた建物のイメージ

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