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日本橋三越本店で「三越アーカイブス」開設
第1弾は完成60周年「天女像」資料を展示

三友新聞 2020年3月26日号 より]

日本橋三越本店は3月18日、本館1階中央ホールに「三越アーカイブス日本橋」をオープンさせた。三越が保有する歴史資料や文化財など、通常は非公開の貴重な品々を定期的に展示する。初回は、4月に完成60周年を迎える三越本店のシンボル「天女像」の原画や未使用パーツ、除幕式の映像などで当時を振り返る。会期は9月頃まで。

日本橋三越本店中央ホールに佇む天女像

5層吹き抜けの中央ホールに佇む「天女像」は昭和35年(1960)に完成。高さ約11mの巨像は三越の株式会社創立50周年を記念して彫刻家・佐藤玄々が10年をかけて制作したもので、ライオン像と並び三越本店の象徴として知られる。

素材には木材のほか、芯に鉄骨、合成樹脂や漆を使用し、表面はダイヤ135個、宝玉1万2,000個がちりばめられている。制作延人数は10万人。主な助手や職人は台座に名前が刻まれており、大工・彩色・截金・金工・木彫・玉漆・型・鉄骨など約50名が名を連ねる。

彫刻界の異才・佐藤玄々

未使用パーツの一部「木彫 彩色蓮弁」は天女像の足下に開く蓮の花弁の一枚で、緻密な彩色が施された作品を間近で見ることができる。天女像の原画は佐藤玄々の筆によるもの。細部に至るまで巧みに描写された原画からは構想段階の佐藤の制作意欲が伝わる。

映像は、「岩瀬社長 玄々工房をう」と、「天女像除幕式」の2種類を上映。完成した天女像を工房で初めて見る三越・岩瀬英一郎社長と、各界の著名人を招いて盛大に行われた除幕式のニュース映像を流す。

未使用パーツの一部「木彫 彩色蓮弁」

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