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塗布型RFIDで世界初のUHF無線通信達成
東レ、レジ自動化など小売・物流効率化に期待

三友新聞 2020年2月27日号 より]

東レ(日覺昭廣社長)は、高性能半導体カーボンナノチューブ(半導体CNT)複合体を用いた塗布型RFIDを作製し、塗布型半導体として世界初のUHF帯電波での無線通信を達成した。今後、製品化に向けた取り組みを進める。

RFID(Radio Frequency Identifier)は、商品に取り付けられた記録媒体(RFIDタグ)に登録された情報を、無線電波によって直接接触することなく読み書きする技術。長距離通信・一括読み取り等の特長があり、レジの自動化や在庫管理の省力化など、小売・物流作業の大幅な効率化が期待されている。

しかし現行のICチップを用いたタグは、複雑なチップ製造とアンテナへの実装工程が必要なため高コストとなり、システム普及の阻害要因となっていた。

実装工程が不要な塗布型の研究開発に取り組んでいた東レは、今般、塗布型半導体としては世界最高レベルを更新する、従来品の約9倍となる移動度を達成。さらに独自技術により、省電力かつ低コストIC形成に必要な薄膜トランジスタを開発した。

これらの新材料を使った低コスト塗布型24bitメモリ搭載のRFID試作品で、世界初のUHF帯電波による20cmの距離での無線通信を達成。製品目標は60bitメモリだが、東レは実現には目途がついているとしている。

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