会員会社ニュース

三井金属が硫酸ガドリニウム14t納入
スーパーカミオカンデの性能向上に貢献

三友新聞 2020年2月13日号 より]

三井金属(西田計治社長)の子会社・日本イットリウムは、超高純度硫酸ガドリニウム粉末14tを東京大学宇宙線研究所に納入した。岐阜県飛騨市にある神岡鉱山の地下に建設されたニュートリノ観測装置「スーパーカミオカンデ」に使われる。

三井金属は元素のトリウムを1兆分の1レベルまで分析可能な手法を開発。日本イットリウムも同レベルまで不純物濃度を低減させた硫酸ガドリニウムの生産に成功し、この度の14t納入につながった。

スーパーカミオカンデは直径・高さともに約40mの円筒形の構造で、ニュートリノが水中の電子などとぶつかって発生する光を観測するために、壁面に大量の光センサーが敷き詰められ、タンク内は純水で満たされている。

東京大学宇宙線研究所は、スーパーカミオカンデの純水タンクにガドリニウムイオンを溶かし、0.01%の濃度に調整することで、超新星爆発によって生じたニュートリノの観測を目指している。

超新星爆発によるニュートリノはスーパーカミオカンデ内で年に数回の頻度で反応していたと考えられるが、従来は他のノイズと区別できず、1987年のカミオカンデにおける初観測以来観測できていなかった。

他の記事も読む