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重力波望遠鏡「KAGRA」完成
三井金属の神岡鉱山に

三友新聞 2019年10月24日号 より]

三井金属(西田計治社長)グループが岐阜県飛騨市に保有する神岡鉱山に、大型低温重力波望遠鏡「KAGRA」が完成した。天体運動によって生じる空間のゆがみ「重力波」を観測する装置で、10月4日の完成記念式典では、プロジェクトを代表する東京大学宇宙線研究所の梶田隆章所長と東京大学の宮園浩平副学長が運転開始ボタンを押下した。

KAGRAは一辺が約3kmの巨大なダクトをL字型に配置した構造。筒内にレーザー光を走らせ、光への重力波による干渉を観測する。三井金属エンジニアリングがダクトの据付工事を担った。

直線距離で3km続く真空ダクト(写真提供:三井金属)

KAGRAが建設された神岡鉱山は、明治初期に三井組が経営権を取得。2001年に休止するまで三井金属が亜鉛、鉄鉱石の採掘を行った。硬い岩盤が素粒子「ニュートリノ」の観測に適するとして、1983年に「カミオカンデ」、1996年に「スーパーカミオカンデ」が建設された。両施設の建設では、光検出器の設置を三井造船(現三井E&SHD)が担った。

神岡鉱山では今後、ハイパーカミオカンデの建設も計画されている。

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