会員会社ニュース
青海工場の重大トラブル半減
デンカ、生産設備の予知保全で効果
[三友新聞 2026年10月29日号 より]
デンカ(石田郁雄社長)の青海工場(新潟県糸魚川市)では、2022年から生産設備の予知保全ツール導入を進めている。生産ライン全体の停止を引き起こすインシデントとなる回転機械の重大トラブルについて、2025年には45%削減した。
導入したのはABBのABBアビリティデジタルパワートレイン。モータ・回転機の健全性を継続的に監視して進行中の問題を早期に検出し、実行可能な保全アクションを提案。デンカの操業監視システムに直接接続し、故障が発生する前にリアルタイムのデータを得られる。
従来、デンカでは一定周期で整備を行っていたが、故障の初期兆候を見逃したり、逆に整備不要な設備に手を入れたりすることがあった。2022年にABBを試験導入すると、振動異常を早期に検出できるようになったことで計画的な保全が可能になり、予期せぬ停止が減少。導入範囲を段階的に拡大し、対象は当初の8台から現在では277台まで増えている。重大トラブルは年に20件発生していたが、2025年には11件まで減少。11件のうちモニタリング対象設備は1件のみで他10件は対象外だったため、早期検出による設備の計画外停止は約9割を防止したことになる。
青海工場青海エンジニアリング部設備管理課・遠藤岳志課長は「我々は事後対応型の保全のサイクルから脱却する必要があったが、設備内部で何が起きているのかを示すリアルタイムの情報がなければ、常に後追いの対応になってしまう。今では、何を、いつ修理すべきかを正確に把握できており、この継続的な可視化により、青海工場はより安全で、より信頼性の高い操業を実現できる」と話した。
センサーを設置した送風機モータ