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三井物産がタイでCCSに参画
海底のガス田にCO₂を貯留

三友新聞 2025年11月6日号 より]

三井物産(堀健一社長)はタイでCO₂を回収・貯留するCCS事業に参画する。子会社の三井エネルギー資源開発(原田英典社長、MOECO、旧三井石油開発)が権益を持つ生産中のタイ沖ガス田・アーチットで余剰ガスを焼却処分する際に生じるCO₂を海底に埋める。

タイでは初のCCS事業となる。2028年の事業開始を目指す。アーチットはタイ国内向けに8%もの天然ガスを供給しており、CCS事業によって最大で年間100万tのCO₂を削減できる見込みだ。既存の天然ガス生産に影響を与えずに導入できることから、低炭素型エネルギー事業のモデルケースにする。

MOECOの子会社・モエコタイランドはアーチットの権益4%を保有。三井物産とMOECOは経済産業省の支援を受けて調査を進めてきた。CCS事業にはMOECOのほか、タイ石油公社も大口出資者として加わる。

三井物産は米国やマレーシアでもCCS事業に着手。マレーシア国営石油会社のペトロナス、仏エネルギーのトタール・エナジーズをパートナーとし、マレーシア沖地下にCO₂貯留場を開発する。マレーシア沖は石油・ガスの探鉱開発を通じて貯留場に適した地下条件が確認されており、海上交通の利便性からも広く利用できる恒久的なCCS適地として期待されている。

米国テキサス州でもCO₂貯留用地として2鉱区・約570km²を確保している。6億t以上のCO₂貯留量を見込む。

タイ沖ガス田・アーチット

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