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中高生向け防災教育促進
三井住友海上が「HIRAQ」提供開始

三友新聞 2025年5月22日号 より]

三井住友海上(舩曵真一郎社長)は中高生向けに災害発生時の対応を話し合って考える「HIRAQ」(ヒラク)の提供を始めた。「帰宅困難」や「避難所生活」などを想定した各シミュレーションから、サイコロを振りながらゲーム感覚で楽しく防災を学べる。4月28日には神田駿河台の三井住友海上で体験教室が行われ、荒川区の中学生がHIRAQを通じて災害時における判断や行動について意見を交わした。

「HIRAQ」を体験する中学生たち

HIRAQは「帰宅困難」「避難所生活」「緊急避難」の3種類。小冊子を開くと現場の事例が表記してあり、サイコロの出た目に応じて災害時の対応を考える。

当日は荒川区南千住第二中学校で防災活動に関わる「レスキュー部」の生徒たちが参加。2班に分かれてHIRAQの「緊急避難」を体験した。参加者は大雨で河川の洪水が予想され、集会所に緊急避難した設定の下で、「非常食の分け方」を議論。選択肢の中の避難者には「小麦アレルギーの児童」「高血圧の高齢者」「ハラール食しか食べられないイスラム教徒」などそれぞれの事情があり、参加者からは「児童にはアルファ化米を」「高齢者にはカンパンを水でふやかしてあげればいい」などの意見が交わされ、終了後は、「災害時に外国人とのコミュニケーションを考えるきっかけになった」などの声が聞かれた。

三井住友海上はまず、1,200部を用意。今後は防災行事や出張授業などで無料配布する。

シミュレーションから最善策を考える

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