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ばら積み船向けメタノールエンジン初受注
三井E&S、新燃料の需要拡大に対応

三友新聞 2023年3月2日号 より]

三井E&Sマシナリー(田中一郎社長)は、ばら積み貨物船向けとして同社初となるメタノール焚き低速二元燃料ディーゼルエンジンを常石造船から受注した。船の竣工は2025年の予定。

メタノールは環境負荷低減に資する次世代燃料の有力候補の一つ。従来の船舶燃料である重油と比較して燃焼時の硫黄酸化物や窒素酸化物の排出量を大きく低減できる。化石燃料由来ではなく回収したCO₂やバイオマス原料などから製造する「グリーンメタノール」の技術開発が世界的に進展しており、使用してもカーボンニュートラル実現に貢献できるほか、常温で液体状態を保持できるため扱いやすいという利点がある。

三井E&Sは2015年に世界初号機となるメタノール焚きエンジンを出荷した実績を持つ。これまでメタノール焚きエンジンはメタノール運搬船への採用が主でありその数は多くはなかったが、近年はコンテナ船への採用が急速に進んでいる。今回の三井E&Sによる受注は、運搬・供給面も含めた合理的な次世代燃料として、ばら積み船へもメタノール燃料の採用が広がってきたことを意味する。

三井E&Sでは、メタノールと並ぶ次世代燃料として注目されるアンモニア焚きエンジンの開発にも注力し、顧客の多様なニーズに応えながら脱炭素社会の実現に貢献していくとしている。

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