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虎ノ門本社に操船訓練用シミュレーター
商船三井が特殊作業船向け

三友新聞 2022年6月23日号 より]

商船三井(橋本剛社長)はこのほど、東京・虎ノ門の本社ビルロビー階に操船訓練用のダイナミックポジショニングシステム(自動船位保持装置、DP)のシミュレーターを導入し、日本初のDPトレーニングセンターとしてオープンさせた。

トレーニングセンターはDPを搭載した作業船の船橋(ブリッジ)を模したもの。3種類のDP搭載船クラスのうち、「クラス2」と同じく2台のDPがあり、マニュアル・自動の操船装置やレーダーなど実船と同じDP機器を備える。11面モニターで構成される大画面には世界各地の現場海域が3D映像で映し出され、風雨や高波、雪、濃霧など気象も含めた臨場感のある操船感覚を再現する。

シミュレーターでは11面のモニターで現場海域の映像を映し出す

DPは波や風など外力の影響をコンピューターが自動的に相殺し、特殊作業船を海上の定位置に留めておくことができるシステム。洋上風力発電設備の据付・整備や海底ケーブル敷設などの分野には必須の技術で、商船三井はDP訓練を自営化するとともに拡大が見込まれる海洋事業の乗組員育成に力を入れる。

6月7日には開所式が行われ、橋本社長が挨拶。「DPは海洋事業には欠かすことのできない技術。高水準の技術と人材で海洋事業の差別化を図りたい」と意欲を示した。

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