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微生物利用のCO₂回収・固定化技術
新日本空調と東北大学が共同研究開始

三友新聞 2021年3月18日号 より]

新日本空調(夏井博史社長)は、東北大学と共同でCO₂を回収・固定化する技術開発を始める。微生物を利用して発電する微生物燃料電池(MFC)を活用して、発電しながらCO₂を回収できる装置の実用化を目指す。

CO₂を回収・固定化する技術はアルカリ性溶液を用いた「化学吸収法」が主流で、アルカリ性溶液に溶け込んだ空気中のCO₂を回収する。新日本空調と東北大学大学院環境科学研究科・佐野大輔准教授の研究グループはMFCを運転する過程でアルカリ性溶液が生成されることに着目。MFCは微生物の代謝能力を応用して発電する装置で、下水処理場の有機物分解などの分野で研究開発が進められている。

両者は大気中の酸素を利用する方式のMFCが生成したアルカリ性溶液にCO₂を反応させることでCO₂を化合物(炭酸塩)として回収・固定化する手法を考案した。有機物分解、発電、CO₂の回収・固定化の3つの効果が期待できるとしている。今後は性能評価と技術の最適化を進めつつ、実装に向けた可能性を探る。

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