三井の特集

三井広報委員会
活動紹介パンフレット (7MB)
イメージ

世界を変える仕事で会おう。 Mitsui Mirai Meeting 2018

シリーズ特集 Be Happy! episode4 “しあわせのカタチ”を探して。

©MASAAKI TANAKA/SEBUN PHOTO/amanaimages

しあわせはどんなカタチ?そんな質問に、あなたは何と答えるだろうか?
形状や状態、物事のあり方を意味する“カタチ”。
まずはハートレイクとして知られる、北海道の美しい湖を訪れてみる。

―――――――――――――――――――――――――

ハート形に秋空を映す、原生林の窓。

飛行機の窓から何気なく眺めていた景色に、もしもこの形を見つけたら、あなたはどんな気持ちになるだろうか?

日本最大の国定公園「日高山脈襟裳(えりも)国定公園」にあって唯一の自然湖であり、流れ入る川も、流れ出る川もない内陸湖の「豊似湖(とよにこ)」。周囲の森林からの浸透水を静かに湛える紺碧の湖は、以前は「馬蹄湖」とも呼ばれ、某北海道銘菓のCMで紹介されると、一気に“ハート形の湖”として知られるようになった。

©MASAAKI TANAKA/SEBUN PHOTO/amanaimages

豊似湖は周囲約1km、最深部の水深約18m。湖としては決して大きくはないこのハート形は、手つかずの原生林に包まれ、急ぎ足に進む北海道の秋色と美しいコントラストを魅せる。

だが、陸路から森に分け入り、風にきらめくその水面と出会えたとしても、地上からはハート形を認めることはできない。かつて、アイヌの人々が摩周湖と同様に「カムイトー(神の沼)」と呼んだ理由は、もちろんその形からではない。湖を守るように広がる自然への畏敬からだったはずだ。

トドマツ、ヤチダモ、カツラ、ベニイタヤなど多様な植物が力強く根を張り、エゾシマリスが跳ね回り、アカゲラやオオワシが巣をつくる森。絶滅危惧種であるニホンザリガニが生育し、氷河時代の生き残りと言われるナキウサギが繁殖する……。ここに残る自然は、長きにわたって野生生物たちの楽園を形づくってきた。上空からしか見えないハート形を“しあわせのカタチ”と呼ぶとしたら、森の中に歩を進めないと見ることができない自然の営みもまた、かけがえのない“しあわせのカタチ”だ。

襟裳岬から30kmほどの山間。紅葉が眩しい森の中を、冬支度をはじめる生物たちが奏でる音に包まれながら、ゆっくりと歩いてみる。きっと、空から見つけるハート形以上に、やさしい気持ちにさせてくれるに違いない。