三井のスポット

ふねしる
海運の今と未来を五感で知る
体験型ミュージアム

大阪・南港のアジア太平洋トレードセンター(ATC)に、商船三井が運営する「ふねしる」がある。
2025年7月の開館以来、海運の役割や船の仕事、未来の姿を五感で学ぶ場として注目を集めており、この2月には大阪・関西万博で人気を博した新展示も加わった。同館が目指す海運の魅力発信の最前線をレポートする。
世界初となる、310度をLEDスクリーンで囲んだ本格的な操船シミュレータ 。プロジェクターではなく高精細LEDを採用することで、明るい館内でも鮮明な視界での航海体験が可能となった

暮らしを支える海運を
未来の仲間に伝えたい

日本の貿易の99%以上は船で運ばれており、食卓に並ぶ食品やエネルギー資源など、日々の暮らしは海運業によって力強く支えられている。しかし、日常のなかでその壮大なスケールや役割を実感する機会は意外にも少ない。商船三井ミュージアム「ふねしる」は、そうした海運の今と未来の姿を、五感を通じて楽しく学べる体験型企業ミュージアムである。

「子どもたちに船への憧れを」と熱く語る上田館長

施設を立ち上げ、自ら館長を務める上田和季さんは、前職で京都鉄道博物館に勤務していた経歴を持つ。その後、商船三井グループ会社の「さんふらわあ」に転職し、商船三井の持つ高い技術力や先進的な環境への取組に触れた際、「知る機会が少ないのはもったいない。鉄道のように、子どもたちが海運に触れ、楽しく体験できる博物館があれば」と考えたという。そして、商船三井グループの新規事業提案制度を利用して、この構想を実現へと導いた。

上田館長は「子どもたちに船への憧れを持ってもらいたい」と熱く語る。既存の海洋博物館は港の歴史を伝える施設が多いが、「ふねしる」は海運の現在と未来を伝えることに主眼を置く。身の回りの品が船で運ばれてきている事実に気づいてもらい、海運業に興味を抱くきっかけを作る場所なのだ。「来館がきっかけで将来、一緒に働く仲間になってくれたら」と、未来の海運業界を担う人材創出への期待も込めている。

万博の興奮がよみがえる
次世代帆船の体験展示

オープン以来、大人たちにも人気の310度LEDスクリーンによる大迫力操船シミュレータや、船員の仕事を学べる展示に加え、2026年2月からは新たな目玉が常設された。大阪・関西万博の展示で人気を博した次世代船「ウインドハンター」の模型だ。ウインドハンターは、風を帆で受けて航海しながら洋上でグリーン水素を創り、貯めて、運ぶという完全ゼロエミッションを目指すプロジェクト。館内に移設された模型では、万博会場と同じように、来館者がうちわで風を送ることで帆が動き出し、その力でタービンが回って水素が作られる仕組みをインタラクティブに体験。万博の興奮と未来の技術を同時に味わえる展示として、早くも来館者の熱い視線を集めている。

施設にはカフェも併設されており、海を渡って運ばれた小麦粉やスパイス、牛肉を使ったオリジナルカレーなどを提供。食事中にも海運の役割を身近に実感できる工夫が施されている。

隣接する乗り場から発着するフェリー「さんふらわあ」の乗船前に立ち寄る人も多いという。実物の船の大きさを体感する前の事前学習としても最適だ。多彩な体験を通して海への興味が無限に広がる「ふねしる」へ、ぜひ一度足を運んでみてほしい。

「世界で活躍する船」コーナーには商船三井グループのさまざまな種類の模型を一同に展示。壁面の横幅30メートルにおよぶ大迫力のシアターの没入感のある映像とともに、海運が支える人々の暮らしと、その圧倒的なスケールを五感で体感できる

アイテムを選ぶと、関連品の物流を学べる映像が投影される「モノからたどる船」コーナー。展示と連動し、カフェコーナーでは隠し味に世界から集めた7種類の果物が入ったカレーも楽しめる(写真左上)

大阪・関西万博で人気を博した次世代帆船「ウインドハンター」の模型展示 。来場者がうちわで風を送ると、風量に応じて帆が拡縮・回転するインタラクティブな演出を完全再現

機関士・航海士・アテンダントクルーなど、船を支えるさまざまな職種をプロの実体験を踏まえて紹介している「船をささえる人々」コーナー

8種類ある入館記念カードは、集める楽しみも魅力

INFORMATION

ふねしる

[所在地] 大阪府大阪市住之江区南港北2丁目1-10
ATC ITM棟2階

[URL] https://www.mol.co.jp/museum/

[開館時間] 日~水曜日 10:00~18:00、
金・土曜日 10:00~18:30

[休館日] 毎週木曜日(夏休み中を除く)、年末年始

[入館料] 当日購入 高校生以上平日800円・休日900円、小中学生平日400円・休日450円など

出典:三井グループ・コミュニケーション誌『MITSUI Field』vol.70|2027 Spring より

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