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サウジアラビアにRO膜新工場
東レ、現地初の一貫生産
[三友新聞 2025年12月4日号 より]
東レ(大矢光雄社長)は、サウジアラビア・ダンマンの子会社内に水処理膜製造の新工場を増設し、稼働を開始させた。海水淡水化用のRO膜(逆浸透膜)を製膜工程から組立まで一貫生産する企業は同国で初めて。
稼働したRO膜新工場
11月12日、新工場の本格稼働と東レが4月に設立した研究・技術開発拠点中東水処理技術センター(MEWTEC)の開所を祝う式典が開催された。サウジアラビア東部州知事サウード・ビン・ナイーフ・ビン・アブドルアジーズ王子をはじめ、各省庁代表、在サウジ日本大使や地元企業関係者など多数の来賓が参加。同地域における東レの10年以上にわたる両国共同事業の実績と信頼、今後のさらなる発展への期待が表された。
式典の様子
海水淡水化はこれまで、加熱で発生した水蒸気を冷却する蒸発法が用いられてきたが、近年は消費エネルギーを大幅に削減可能な水処理膜法への移行が進んでいる。東レの新工場やMEWTECは水処理膜法による地域の淡水確保における重要な役割を担う。東レは今後、産業の発展が期待されるMENA(中東・北アフリカ)地域への展開を強化していく方針。