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地熱開発の新技術で協業
TOYOと米GFE社が事業化調査へ

三友新聞 2025年9月18日号 より]

東洋エンジニアリング(細井栄治社長、TOYO)は、米国の地熱開発事業者であるグリーンファイアエナジー(GFE社)と、同社が持つ先進地熱システムである同軸二重管方式クローズドループ技術を、アジア太平洋地域において共同展開するための協業契約を締結した。今後、実証試験の候補地の特定と事業化調査に取り組む。

地熱発電は、時間帯や天候の影響を受けないことが特徴で、通常は地熱貯留層から坑井を通じて取り出した蒸気でタービンを回して発電する。

クローズドループ技術は新たな地熱発電の方式。GFE社の技術は、地上から注入する水が二重管の外側を通って地下に入り、地熱で熱せられた後に内側の管から戻ることで熱を回収し、発電する仕組み。従来の地熱開発には地下水、地熱貯留層、熱源の3要素が必要だが、同技術では熱源が確保できれば地下水、地熱貯留層がなくても多様なフィールドでの適用が期待できる。

協業契約により、GFE社は地下モデルの作成とクローズドループ技術の提供を担う。TOYOは設計、調達、建設、デジタル最適化サービスを提供し、共同でクローズドループ技術の検討を行う。まずは日本とインドネシアを対象に実証試験の候補地特定を進め、将来的には北米での地熱開発事業の展開を目指す。

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