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感光性ポリイミド材料を開発
東レが世界初の厚膜加工実現
[三友新聞 2025年7月31日号 より]
東レ(大矢光雄社長)は世界で初めて、膜厚200μmで微細パターン可能な感光性ポリイミド材料「STF-2000」を開発した。
ポリイミド構造に由来する高い耐熱性、耐薬品性、機械強度、絶縁性、X線耐性の特徴を保持しつつ最大アスペクト比7のハイアスペクト・微細加工性を実現し、人体や環境に影響があるNMP・PFASフリーのサステナブル製品仕様であることから、電子部品やMEMS(微小電気機械システム)デバイスなどの各種用途の高性能化と環境対応に貢献する。標準形態は液状だが、厚膜シートタイプの開発も進めており、今年度中の量産に向け、顧客評価を進める。
ネガ型感光性材料における高感度化技術の極限追及と硬化応力を制御する独自の感光設計技術で膜厚200μm、線幅30μmの超厚膜・ハイアスペクト微細加工を実現した。
従来微細加工で広く使われてきたフォトリソグラフィー法における「硬化物の変形やクラック」「UV硬化不良」「現像不良」「異物・層間剥離」といった課題を克服した厚膜加工材料として、厚膜形成による電子部品の絶縁性向上が期待できる。また1回の塗布・露光・現像で厚膜パターンを形成できるため、製造プロセスを大幅に簡略化でき、生産性向上やプロセスコストの低減にも繋がる。