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展覧会「美術の遊びとこころⅨ 花と鳥」
三井記念美術館で7月1日から
[三友新聞 2025年6月12日号 より]
三井記念美術館は、展覧会「花と鳥」を7月1日から開会する。日本・東洋の古美術に親しむことを目的とする「美術の遊びとこころ」シリーズの第9弾。館蔵品の絵画や茶道具、工芸品に登場する、四季折々に咲き誇る美しい花や様々な姿で魅せる鳥にスポットを当てる。会期は9月7日まで。
「花」を代表するのは国宝の茶道具「志野茶碗 銘卯花墻」。白い釉と格子状の文様を垣根に咲く白い卯の花に見立てた。このほか、輪郭線を用いず色の濃淡で水辺に咲く白菊の質感を表現した絵画「水辺白菊図」や、菊やたんぽぽ、かきつばたなどを配した能装束などから、可憐な花を展観する。
「鳥」では長寿を象徴する鶴や、想像上の瑞鳥(縁起の良い鳥)などが描かれた作品を展示。全長約17.5mに及ぶ絵巻に63種類の鳥が描かれた「鳥類真写図巻」は江戸中期の絵師・渡辺始興によるもので、鋭い観察眼で鳥の寸法や色までも記載されている。南宋時代の茶碗で重要文化財の「玳皮盞 鸞天目」は、内側に中国の瑞鳥「鸞」が描かれたもの。
「花と鳥」の両方が描かれた作品も多い。重要文化財の「日月松鶴図屏風」は大きく描かれた鶴と松、四季折々に咲く草花を同じ画面に描くことで高い吉祥性と時空を超越した空間を表現。中国の職業画家・沈南蘋は「花鳥動物図」で、藤と罌粟にニワトリとオウムなど、花と鳥の多彩な組み合わせを季節感豊かに描いた。
三井記念美術館