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三井化学がケミカルリサイクル新事業
日本初「バイオ&サーキュラークラッカー」実現

三友新聞 2024年3月28日号 より]

三井化学(橋本修社長)は、廃プラスチックを原料とした熱分解油(廃プラ分解油)を利用する、新たなケミカルリサイクル事業に乗り出した。

3月22日に「ケミカルリサイクル新規事業化」プレス発表会を実施し、新事業を説明。廃プラを油化する独自技術を持つCFPから廃プラ分解油を調達し、大阪工場でマスバランス方式によるケミカルリサイクル由来の誘導品(化学品・プラスチック)を製造、販売する。同工場は2021年12月から、廃食油などを原料とするバイオマスナフサのクラッカー投入を始めており、それに加えて廃プラ分解油を投入する日本初の「バイオ&サーキュラークラッカー」となる。

新事業を発表した(左から)花王・矢野政志氏、三井化学グリーンケミカル事業推進室・丸山大輔室長、CFP・福田奈美絵代表取締役

会見では、新事業化にあたり、花王と循環型スキームの構築に向けて共同検討を始めることも発表。花王のプラ製品を回収し、廃プラをCFPが油化、分解油を三井化学のクラッカーに投入する。まずは花王の工場で発生する端材などから取り組みを始め、将来的には市場から回収することを目指す。

CFPは現在、3,000tの廃プラ処理設備を持つ。今秋にも処理能力6,000t、来年はさらに3,000tの設備増強を行い、計1万2,000tを処理可能にする。CFPによれば、平均して廃プラ量の8割程度の分解油を作れるという。

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