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世界初、船舶用水素エンジンの燃焼運転成功
三井E&S、早期事業化目指す

三友新聞 2024年3月28日号 より]

三井E&S(高橋岳之社長)はこのほど、岡山県玉野市の玉野工場内で世界初の大型舶用エンジンの水素燃焼運転に成功した。国際海運における水素関連ビジネスの早期立ち上げを目指す。

ダイハツディーゼルと共同で採択された国土交通省補助事業の「海事産業集約連携促進技術開発費補助金」を活用した実証実験で、LNGエンジンをベースとして水素エンジンに改造。シリンダ直径50cmの船舶2サイクルテストエンジンを用いた。工場内には水素供給設備を新設。水素エンジンと水素供給設備のカップリング運転で水素漏洩などの不具合なくテストエンジンの100%負荷運転を成功させた。

可燃性の水素燃料は着火しやすく、適切な燃料制御が必要となる。実験では95%相当の熱量を水素燃料で賄い、従来燃料のエンジンと同等の燃焼圧力波形が得られた。今後は水素の貯蔵・供給・利用に関するノウハウを深めるとともに海運業におけるGHG削減をさらに進め、脱炭素社会の実現に貢献する考えだ。

水素燃焼運転に成功した舶用2サイクルテストエンジン

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