会員会社ニュース

三井発祥地の松阪でシンポジウム開催
三井高利生誕400年記念、市民ら100人が聴講

三友新聞 2022年11月17日号 より]

三井グループの祖・三井高利の生誕400年を記念し、出身地の三重県松阪市で10月30日に記念シンポジウムが開かれた。歴史研究家の河合敦氏による基調講演が行われたほか、松阪市・竹上真人市長をコーディネーターに、河合氏、NPO法人松阪歴史文化舎・門暉代司理事長、三友新聞社・藤本邦彦社長によるパネルディスカッションが実施された。

会場の松阪市産業振興センターは100人の聴講者で満員に

河合氏の基調講演は「三井高利と松阪の豪商に学ぶ人生のヒント」をテーマに行われ、越後屋開業に至る高利の生涯と、その発展を支えた「現金掛け値なし」などの商法を解説した。講演では松阪市所有の史料である越後屋の引き札(チラシ)も紹介し、「日本で初めてチラシを配ったのが高利。それまでなぜ他の人はやらなかったかというと、文字を読める人が少なかったから。江戸時代に寺子屋が発達し、『文字が読める人が増えたからチラシを配ろう』と思いつけたのが高利のすごさ」と強調した。

基調講演に立った歴史研究家の河合氏

基調講演の後は、「三井家発祥の地・松阪」をテーマにパネルディスカッションを開催。「松阪商人が江戸で活躍した理由」や「松阪の文化に豪商が与えた影響」、「松阪市の三井発祥の地としての認知向上策」などの話題で意見を交わした。

パネルディスカッションでは竹上市長から、「三井家をはじめとする豪商たちとの歴史的なつながりを後世に残し、顕彰していく施設を作りたい」という構想も語られるなど未来に向けた意見交流も行われ、市民から高い関心を集めたシンポジウムは盛況のうちに幕を閉じた。

(左から)竹上市長、河合氏、門理事長、藤本社長

松阪市指定史跡の「三井家発祥地」

他の記事も読む