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マイクロ波で炭素繊維製造の環境負荷低減
三井化学名古屋工場で実証設備が完工

三友新聞 2024年2月22日号 より]

三井化学(橋本修社長)とマイクロ波化学は、マイクロ波を活用した環境負荷の低い革新的な炭素繊維(CF)製造に関する実証設備を三井化学名古屋工場内で完工させ、今年1月に試運転を始めた。量産化技術の検討を進め、2024年度内のサンプル供給開始を目指す。

両社は2022年にCF製造の基盤技術を確立。CF製造工程中で最もエネルギー消費の大きい耐炎化プロセスに加え、炭化プロセスの両工程を一貫してマイクロ波により焼成することで、エネルギー消費量を半減させるほか、処理時間も大幅に短縮し装置のコンパクト化を可能とした。

名古屋工場内に完工させた実証設備

実証設備は約20億円を投じて新設。マイクロ波による焼成では装置が高温にならないため、コストや安全面でもメリットがあり、将来的には電源を再エネ化することで9割以上のCO₂排出削減も期待できるという。

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