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新技術の開発
日本初の超高層ビルである「霞が関ビル」は、三井不動産、山下寿郎設計事務所、三井建設、鹿島建設が建設委員会を構成し、建設資材メーカーと協力して新技術を開発しました。
地上36階・地下3階、高さ147メートルのビルを建てるのですから、合理的な作業が要求されます。どこの階にどれだけの資材が必要で、人員は何人いるのかなど、工程管理をコンピュータで行いました。建材は工期を短期間にすることや、軽量化のため、新しいものを数多く導入しました。
霞が関ビルの骨組は、地震に強い柔構造方式による純鉄骨構造です。主材には大型H型鋼が採用され、全素材量の75%を占めました。ちなみに、霞が関ビルに使用された鉄骨は約1万5,000トン、鉄筋約8,000トン、デッキ・プレート約1,700トンです。H型鋼は生産性に優れているので使われました。また、H型鋼のために東芝が機械を開発し、6センチの厚さの鉄骨に1,000分の5ミリも狂わないボルトの穴が開けられました。また、デッキ・プレートを鉄骨建設中の直下階の全面に敷き、高所での作業の不安を無くし、工事の安全を保ちました。
床コンクリート用骨材には人工軽量骨材“メサライト”が使われました。これは三井金属がアメリカのベーソルト・ロック社と技術提携して、日本で初めて企業化したものです。普通のコンクリートよりも軽量なので、軽量化が望まれる超高層ビルに採用したわけです。工期を短縮するのに大いに役立ったのが、クライミングができるタワークレーンです。このクレーンは、塔の形でマストが立っていて、底と中間に支えがあり、よじ登る動きをするのです。鉄筋の組み立てが終わると、次の階にずり上げて工事を進められるので、従来なら10日から15日かかる仕事も、2日間で終えることができます。このクレーンにより、総計1万5,000トンの鉄骨を、200日間で無事故で建てたのです。その他にも、超高層ビルの時代を開くさまざまな取り組みがなされました。総工費は150億円でした。 |