当時、一流の呉服店では、前もって得意先の注文を聞き、後から品物を持参する見世物商いと、直接商品を得意先に持参して売る屋敷売りを専らとしていました。支払いは、盆・暮の節季払いか、年1回の極月払いを習慣としていました。得意先は、大名、武家、大きな商家で、支払いは、6月と12月の二節季払い(にせっきばらい)、または12月のみの極月払い(ごくげつばらい)という掛け売りでした。この方法は、人手も金利もかかるので、当然商品の価格は高く、資金の回転も悪かったのです。 高利は、その逆をいき、店頭での現金取引きを行いました。この方法なら資金も早く回転し、掛け値もしないので、商品を安く売ることが可能です。庶民に喜ばれ、越後屋に人気が集まったのは当然でした。 |