三井ゴールデン・グラブ野球教室

三井ゴールデン・グラブ賞

第10回 福岡教室(福岡)

講師インタビュー

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王 貞治(おう さだはる)氏

普段、子どもたちに教えている指導者の皆さんは、日本の野球界を支えているありがたい存在。指導者を通して子どもに正しい知識が伝わるように、よりよい形で子どもたちに教えてほしいと常々思っていますので、三井ゴールデン・グラブ野球教室は、我々にとっても貴重な機会です。テレビで見ていたような名手に話を聞くことでインパクトがあるし、「自分の指導が正しかった」「こういう教え方もあるのか」というように、指導の幅が広がるという意味合いもあると思います。

指導者には、子どもたちそれぞれの才能を見抜いてほしいと思います。「自分はこうだったからこうだ」という経験則は、小さい子から大きい子まで全員にあてはまるわけではありません。それぞれの長所を伸ばすことのほうが、本人にとっても楽しいし、教える側も楽なのではないでしょうか。短所を直すのは難しいし、子どもも楽しくない。長所を伸ばすことで、結果としてマイナスをカバーできればいいと思います。

野球は、ピッチャーとバッターが注目されがちでしたが、今は守備と走塁の評価も上がり、守備や足のスペシャリストという形で活躍の場を得られる人が増えました。プロ野球がそういう流れなので、アマチュアでも守備や走塁に対する意識が高まっています。プロ野球でも、キャンプでの練習時間は、投内連係なども含め、守備に多くの時間を割きます。点を取るのは難しいから、失点を少なくするという考え方が主流になっているんですね。三井ゴールデン・グラブ賞がはじまったころに比べると、選手の守備に対する意識も高まって、受賞したいという気持ちも強くなっているのではないかと思います。

また、野球に限らず、子どもたちに活動の場を与えることは大人の義務と言えます。私も小さいときに、大人に環境を与えてもらいました。ですから、三井ゴールデン・グラブ賞や三井ゴールデン・グラブ野球教室といった場を作り、子どもたちの夢を応援するということを率先してやってくれている三井グループには感謝しています。特に野球教室は、今回で10回にもなりますが、回を重ねることで方法論も向上してくると思いますので、これからも20回、30回と続けていっていただきたい。子どもたちと指導者、指導者と我々とのつながりをより太いものにしていくために、なくてはならない機会であり、素晴らしい社会貢献活動だと思います。

写真:王 貞治 氏
柴原 洋(しばはら ひろし)氏
写真:柴原 洋 氏

子どものうちは、守るよりも打つ方が楽しいと思います。しかし、プロ野球試合の解説の仕事をしていて、守備のワンプレーで試合の流れが大きく変わるケースを目にすることは少なくありません。野球は10点とっても11点とられたら負けですが、0点に抑えれば負けることはない。だからチーム一丸となって0点に抑えるんだという気持ちで守ることが大切だし、指導者の皆さんはその大切さを子どもたちに分からせてあげてください。

守備を教えるのにあたっては、指導者の皆さんがまず基本をしっかりと理解し、勉強して、人に言われたことを鵜呑みにするのではなく、自分で考えながら、子どもたちに教えてもらいたいと思います。打つことも投げることも捕ることも中途半端になってしまったというのでは子どももかわいそうなので、指導者がしっかり勉強して教えることによって、子どもたちがもっと野球を、守備を好きになってもらえたらいいですね。

私たち講師も、小さいころから「基本」を学んでいて、その基本という土台があるからこそ、ファインプレーにつながったり、三井ゴールデン・グラブ賞(三井GG賞)を受賞することができたのだと思います。

守備を評価されることはとても嬉しいことで、私は3回三井GG賞をいただいていますが、初受賞の時には「本当に俺でいいのか」と思いました(笑)。私にとっては、ベストナインをもらうよりも、金のグローブをもらうことの方が嬉しく、憧れであり誇りでした。

現役時はセンターとして、2年連続で300刺殺を達成することができ、そのおかげで受賞できたのかもしれません。チームの外野の中心としてプレーできることは喜びでしたし、そのご褒美として三井GG賞もいただくことができ、頑張ってよかったと感じました。

自分が小さい頃はピッチャーか外野で、外野ではフェンス際でのファインプレーなどを真似たりしました。特に、テレビでよく流れていた、阪急の山森(雅文)さんがフェンスによじのぼって捕ったファインプレーを見て、外野の魅力が心に刻まれました。そうしたプレーはとても格好いいですが、ファインプレーも基本あってのもの。基本に忠実に、地道にやっていけば楽しさも喜びもあるということを、子どもたちに感じてもらえたら嬉しいですね。

三井広報委員会が三井GG賞を提供していることは、子どもたちにも、プロ野球選手にも夢を与えています。私も毎年、受賞したいと思っていました。また、今日のような野球教室を開催していただけることも、野球の裾野を広げるために非常に重要なことだと思います。

受講者の感想

向段 武史さん(西花畑ウインディーズ)

日頃子どもたちに教えていることの再確認ができて、有意義な時間でした。特に、ゴロ捕球の足の運び方、外野のフライ捕球のポイントについては、教え方を聞いてこれからの指導に役立ちそうです。王さんをはじめ、すばらしい講師の方たちに指導していただき感動です。特に、自分も内野をやっていたので、宮本選手には憧れがあり、本も読んでいたのですが、今日の指導でも同じことをおっしゃっていて、実際に聞けてさらに理解が深まりました。

写真:向段 武史さん
吉野 弘一さん(姪北ジュニアファルコンズ)

息子がピッチャーをやっているのですが、肩を壊したことがあり、石川先生の講義は非常に興味深く聞かせていただきました。練習前のストレッチや練習後のクールダウンなども細かく教えていただいたので、今後、チーム全体で取り組んでいきたいと思います。
連携などの実技では、元プロの名手と同じ球を追いかけられるという、こんな環境はめったにないことですし、本当に楽しく、そして勉強になりました。
私は野球経験がありませんが、チームの経験者も再確認になったと言っています。基本を重視したプロの意見はためになりますし、今後に活かせるのではないかと思います。

写真:吉野 弘一さん
小林 亮寛さん(無所属)

私は投手出身なので、捕手や野手の大矢さん、宮本さん、柴原さんのお話を聞けて新鮮でした。それぞれ基本についての共通した考え方や、経験に基づいたお話をお伺いできたので、これからの指導に役立てたいと思います。キャッチボールの捕って投げるという基本の動きをマスターすることで色々な動きに応用できることに気付けたことは収穫でした。
また、障害予防という点でも色々なことを教わり、子ども達にプレーのことだけではなく、身体づくりやケガをしないような練習というアプローチからも指導していければと思います。

写真:小林 亮寛さん

生きる。活かす。いっしょに。三井ヒューマンプロジェクト